台北の老舗甘味処を訪ねて

2019/12/31
台北の老舗甘味処を訪ねて

文= 黃翊庭   編集= 下山敬之   写真= 林煒凱、楊子磊、董孟航、Taiwan Scene

 

本物だけを使う老舗店 西門永富冰淇淋

「永富冰淇淋」(ヨンフービンチーリン)は1945年に屋台で3色のアイスを売り始めたところから始まり、すでに70年余りが経過しています。狭い店内には美しい装飾も居心地の良い席もなく、白地に青色で書かれた9種類のメニューがあるだけでした。メニューの右側には伝統的なサトイモ、あずき、ピーナッツが並び、左側には時代の流れとともに追加されたイチゴ、レモン、パッションフルーツといった味があります。

また、この他にも老舗のアイスクリーム屋でのみ見られる卵、李梅とリュウガンという味があり、すべて余計な素材を使わない本物を味わうことができます。また、球体のアイス以外にも目玉商品があります。それは数種類の味が積み重なった純粋なアイスクリームケーキです。スポンジもクリームによるデコレーションもありませんが、質素ながらもしっかりとした味わいこそが最大のウリです。

西門永富冰淇淋

- 台北市万華区貴陽街二段68号​​​​

- 日曜-木曜:10:00​–​22:00​​​金曜-土曜:10:00​–​23:00

 

八宝氷という名のごちそう 万華の龍都冰菓專業家

100周年を迎える骨董品級のアイスクリーム屋「龍都冰菓専業家」(ロンドゥービングオジュアンイェジャー)は、旧世代の台北人にとっての共通記憶であり、艋舺龍山寺を訪れる際に忘れてはいけないスポットです。店内の壁にはたくさんの古い写真が飾られていて、お店の輝かしい歴史を記録するだけでなく、萬華エリアが1世紀の間に変遷した証明でもあります。

トッピングたっぷりの八宝氷はお店の看板メニューです。きめ細かなかき氷にサトイモ、花豆、タピオカ粉の白玉、白玉だんごなど8種類のぐが乗せられた一品で、一杯でも十分満足できます。また、お店の入口に置かれたショーケースいっぱいの果物もこのお店の特色の一つで、大きくて新鮮なマンゴーとパンナコッタがトッピングされた贅沢な無敵マンゴーかき氷は夏の暑さを一瞬で吹き飛ばします。

龍都冰菓專業家

- 台北市万華区広州街168号

- 11:30​-​01:00

 

甘くてしょっぱい台湾の味 双連圓仔湯

創業から68年になる「双連圓仔湯」(シュアンリェンユェンズタン)は、多くの外国人観光客が必ず食べる台湾式デザートです。看板料理の「焼麻糬」というお餅には甘い味としょっぱい味があり、ほぼ全てのお客さんが両方楽しめるセットを注文します。高温の油に入れたお餅が弾力を残しつつも油っこくならないよう何度も改良して今の味を作り上げました。また、この料理は大量のピーナッツやごま粉、砂糖、海苔などが振りかけられている上にもち米が喉に詰まりやすいことから、セットで熱いお茶を付けるといった配慮がなされています。

他にもかき氷や湯圓といったデザートに使われるトッピングはほぼ全て伝統的な食材が使われていて、最も有名な「小湯圓」という白玉以外に、サトイモのペーストも人気があります。また、あまり目にしない「福圓」(リュウガン)、パイナップル、シロキクラゲなどのトッピングもリニューアルした店内には全てメニューの写真があるので、言葉の通じない外国人観光客でも注文することができます。

双連圓仔湯

- 台北市大同区民生西路136号

- 10:30​-22:00

 

細かな口当りの雪片かき氷 士林辛發亭

雪片かき氷が食べたくなると、たいていの人は士林夜市にある老舗の辛發亭(シンファーティン)をおすすめします。このお店は伝統的な蜜豆氷というかき氷から商売を始め、雪片かき氷は二代目店主達の努力と研鑽によって生み出されました。製氷機が回転するとバニラアイスが鉛筆削りで削られた木片のように器に落ちていきます。このように削られた氷は口当りが細かく、溶けにくい特徴を持ちます。氷を砕いただけのかき氷しか知らなかった当時の世代から徐々に口コミで広がり、次第に雪片かき氷のブームが起こりました。

時代の変化に伴い、辛發亭も革新と変化を追求するようになり、コーヒーや抹茶、ピーナッツといった様々な味を作り始めました。お店ではあずきのトッピングを一番におすすめしています。どんな味の雪片かき氷にも合うので、ぜひ一度試してみて下さい。

士林辛發亭

- 台北市士林区安平街1号

- 15:00​-​00:00

 

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